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個人の力で、地域の自然環境を守り、口腔から健康を守り育てる
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世界基準の歯科医院づくり ―予防と治療の適切化をテーマとして、
「ISO9001:2000のISO14001;2004統合」認証
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愛知県は、トヨタを中心に大きな工場を持つ一般企業の取得がほとんどの中、当院はISO9001:2000のISO14001;2004統合を目指し、どうしたら自然環境を汚さず、CO2の削減も行い歯科医療活動を行うことができるか考えようと、院内でプロジェクトチームを組み、1年かけて取得致しました。やろうと思えば、個人の力でも環境をできるだけ汚さない世界基準の歯科医院作りができると思っています。
私は以前から、環境問題に大きな関心を持っていました。特に幼いころよく泳いだ木曽川が、どんどん汚れていくのを見るのは悲しかったし、木曽川をきれいにするためにはどうすればよいのか、ロータリー活動を通して行っていることはありますが、自分自身に一体何ができるのか、具体的方法は分りませんでした。
そんなとき、ゴア副大統領の「不都合な真実」を見たり、またISO14001;2004を取得した歯科医院の講演を聞く機会があり、その中では歯科の予防から出される廃棄物の量は、治療から出される廃棄物の量の1割程度であり、かかるコストも1/5だということでした。まずは自分の歯科医院が歯科医療活動を通して地域の自然環境を守る健康を育むことのできる活動を実践していくことが可能だし大切なんだと思いました。
ごみ問題、海洋汚染、地球温暖化……これらは私たち一人一人の問題です。行政の対応が悪い、メーカーや工場の責任だ。いくら政府や企業を責めても何も変わりません。政治家を非難する一方で、タバコを無意識にポイ捨てする人は、結構多いのではないでしょうか。企業も私たち消費者の嗜好を見て動きます。ペットボトルや空き缶を大量に生み出しているのは他でもない私たち。結局、個人個人が行動を変える以外に、環境問題を解決していく道はないでしょう。
環境六法や廃棄物処理法の解説など専門書を読みあさり、コンサルタントにも相談して、いざ取得に向けて走り出したとき、予想以上に費用がかかることが分かりました。コンサルタント料、審査料など取得までに1年で約500万。翌年度から毎年40万〜60万。3年目の更新時には60〜70万円です。歯科医院経営の投資バランスから見て、何らかの優遇措置がない限り、正直個人での取得は無理だと思いましたし、企業と違い、個人の医療機関にとってISO14001はまだ黎明期で、患者さんも「この歯科医院はISOを持っているから行ってみよう」とは思わないでしょう。しかし私は水や空気を汚さない、健康をテーマとした地域密着型の歯科医院づくりにこだわること、環境に負担をかけない方法やシステムを構築しようと思います。
今は、ISOが定める厳しい環境保護規準に沿って作成した「環境管理マニュアル」を進めています。例えば環境負荷が少ない治療機器を導入したり、最新の循環型汚水処理システムを整備したり、医療を行うのに、消毒、滅菌の仕組みは基本ですので、薬品で汚染しないよう、国際的には感染予防策としてスタンダードプリコーション(標準予防策)の実践が常識的となってきており、世界で代表的なラピッドステリライザー,卓上ウオッシャーディスインフェクターを設置しました。診療室の水にも、エピオスのシステムの滅菌水を使うなど、医療活動によって生じる環境への影響をあらゆる側面からチェックして、スタッフ全員で改善に取り組んでいます。
また、一時的に健康を害した寝たきりの人も、車椅子で移動できる時には、車からダイレクトに診療室で、健常者の方と同様に治療が可能で、社会復帰にも力を貸したり、環境に一番影響を与える廃棄物については、環境マニュアルと別に作成した廃棄物マニュアルに基づき、安全管理、安全処理を徹底しています。
環境のためには、まず、ごみをできるだけ減らすことが大事です。しかし医療機関である以上、衛生面をおろそかにすることはできません。衛生管理を徹底した上で環境を守る。このバランスがとても難しいです。例えば、うがい用の紙コップ、患者さんのエプロン、一部の治療器具などは、衛生上使い捨てにしています。その分他のごみは極力出しません。滅菌や消毒に使う電気のために、不要な電気はこまめに消し、スタッフには夏は風の通る涼しい部屋、冬は日の当たる暖かい部屋とISOの規格に合うように「健康創造サロン」は設計し、普段は一枚上に羽織ったり、ズボンにしたり、患者さんにはひざ掛けを用意したりすることなど、エアコンを使わないよう指導しています。
細かい事ですが、このような小さな行動の積み重ねにこそ意味があると思います。ISO9001:2000のISO14001;2004統合認証により、歯科医療の中で行っていくことは、我々が今までしてきた、削ったら詰める再治療が、いかに間違っているか、親からもらった健康(エナメル質)がいかに大切か、江南市内の産科で3年行ってきた母親教室(マイナス0歳児の健康教室)が重要で、今まで行ってきた啓蒙活動が基本であることが実証されました。
歯を削らない仕組みの組み込まれたインプラント治療は非常に環境にやさしい、負担の少ない健康向きの治療ですし、口呼吸がアレルギーなど、全身疾患に悪影響をもたらしているケースが多いことからも、矯正治療が、むし歯、歯周病の予防的治療であるだけではなく、健康にアプローチする大切な治療行為であることにつながってきました。当院の健康創造サロンの仕組みの目的は健康そのものです。
ISOは一旦認証を取得すれば終わりではありません。
毎年具体的目標を掲げ、改善を続けていくことがISO本来の趣旨です。先ほど言ったように、ISOの定める厳しい環境保護基準をクリアしていくには、経費も労力もかかります。地域の自然環境を守り、余計な治療をしない、「口腔から健康を守り育てる」歯科医院でありたい。この強い決意がなければ、継続していくのは本当に大変です。しかし孫の時代に託せる美しい地球を目指して、今後もできるかぎり努力し続けていきたい。そう思っています。
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平成19年11月21日
医療法人正明会岩井歯科 岩井正彦
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